「あ、甘い。」思わず言った私に、みんなの疑いの目…。「厳格食で舌が敏感になってるからそう思うんとちがう?」と言われる始末。  私もそうかな…と、今度はB子のおっぱいをひと口。すると、確かに甘みは少しは感じましたが、明らかに味が違うのがわかりました。何というか、なんとなく脂っぽいというか…、ベタッとしているというか…一言でいうと「濃い」感じです。色も、少し透明感のある私のおっぱいに比べると牛乳の白に近い白色をしていました。  A子のおっぱいは、濃さで言うと私とB子の中間くらい。それでも最後に残るのは、甘さよりなんとなくの脂っぽさのような気がしました。  C子は公平に味を比べるために、1回1回水を飲んでは3人のおっぱいを飲み比べました。するとやはり、「あぁ、やっぱり味って違うもんなんやね。B子のは、なんか低脂肪牛乳みたい。牛乳に近い味がする。」と。そして私に「あんたのが一番甘いな。一番おいしひとつもどる
い。」と。  そう言われた時、私の中でいつも囁いていた悪魔に打ち勝ったような気がして、なんだか気持ちがスッと楽になったように感じました。  今までアトピーを治してあげたいという事ばかり考えて、厳格食をすすめていましたが、本来の「おいしいおっぱいをあげる」という事がすっかり飛んでしまっていました。  それが、知らず知らずのうちにおいしいおっぱいにつながっていたと思うと、なんだか少し得をしたような気分でした。  まだ私の粗食生活は始まったばかりですが、この事がきっかけで、私はおいしいおっぱいを飲ませているんだという自信ができ、また更に頑張れそうな気がしました。   ≪おっぱい先生からのメッセージ≫  Nさんは厳格食をしばらく続けたあと、皮膚の状況は相当改善され、痒がることも少なくなり、努力が報われてきました。掻いても、皮膚が傷むことが少なくなっています。いまでは、徐々に食べ物が増えています。  今回の出来事は、Nさんには思わぬできごとでしたが、ページをめくる