状のパターンを掴み、アレルゲンを見つけていきます。思いもかけない食品がアレルゲンと気付き、それを除去した時にスッと息子の症状が消えた時などは、何ともいえない達成感がありました。  このような日々の中で、常に息子の様子を注意深く観察することが習慣化していきました。   日記の観察項目で重要なもののひとつに「機嫌」がありました。それは途中で加えたり省いたりしたものでははなく、厳格食の日記を付けるようにと指導を受けたときから自分が自然に必要と感じ、設けたものでした。  ある時福井先生が「この子の場合は機嫌が悪くなるのね。」とおっしゃったとき、初めてアトピーの子がみんなこんなに機嫌が悪いわけじゃなく、息子の特徴的な症状のひとつなのだと気付きました。  そんな息子のアトピーも一進一退を繰り返しながら、成長と共に徐々によくなっていきました。しかし、依然として「絶叫泣き」はなくなり写真;ぼくアトピーだけど温厚。 でもお兄ちゃんが・・ひとつもどる
ませんでした。  乳房マッサージのためにベッドにあがる際も「これからマッサージにいってくるから待っているように」と言い聞かせていても非常にストレスを感じる様で、終始絶叫するように泣いていました。その姿は大きな恐怖感に襲われているような、一種悲壮な雰囲気までかもし出していました。今思うと一種のパニック障害の様なものだったのかもしれません。  それが一歳五ヶ月を過ぎて歩き出した頃から、急に言い聞かせていた事柄が理解できたようで、ぴたりと泣かなくなったのです。先生は度々「その(激しく泣く)性格を治さんとアトピーはよくならへんで」とおっしゃっていましたが、本当にそうでした。泣き叫ぶことが少なくなった後、足踏み状態だった皮膚炎もきれいになっていきました。   ●開花した「本来の息子」の姿  息子の変貌振りは見事でした。アトピー症状が軽快していくにつれ、息子が持って生まれた性質がようやく開花したようでした。本来の息子の姿を取り戻したのです。  息子はどちらかというと温厚なタイプのようで、楽しそページをめくる