1980年からみても、少子化に伴いどんどん過保護・過干渉の母親が増えています。そして、そのことが、将来に及ぼす悪影響をわかっていません。この現状を打破するために、この「自立断乳」は有効なのですよ。
「断乳」でもない「卒乳」でもない「自立断乳」の意味をもっと広めたいと卒業生の研究テーマとして取り組む予定です。
母乳をしっかり与えてスキンシップを十分体験し、愛情たっぷりの授乳をすると満たされるため、子どもの心は安定して育ちます。日ごろから向き合って話し合う習慣を持つ育て方をしていると、断乳の時期がわかります。そして子どもと話し合いのもとに断乳をすると、それはそれは見事な乳離れ、つまり生まれてから初めての自立をしてくれます。私はこの断乳を「自立断乳」と呼んでいます。「おっぱいほしい」と言いたくても「おっ」で終わって、我慢ができます。
こんな断乳を体験すると、“子どもを信じてあげたい”“子どもを私有物と思ってはいけない、ちゃんと人格を持った1人の人間として育っている”と実感でき、子どもときちんと話し合うことの大切さが分かります。
この自立断乳を見事に終えるためには、生まれた直後から「向き合う子育て」をすることが大切です。子どもは本能のまま(楽か楽でないかなど・・・)なので、理屈がわかる年齢まで親の教育が必要です。しつけなど社会のルールを教えることが大切なのです。わかっていてもいなくても大人に話すように言いつづけます。突然ある時にわかり始めます。体験談で理解してください。
福井おっぱいルームでは、その場面場面で教えて実体験をしてもらっています。「向き合う子育て」ができていると自立断乳へスムースに移行できるのです。
この断乳は、子どもと話し合いができる(1歳半以降)まで飲ませていないと体験できません。母親の努力の結果得られる成果(ごほうび)といえるでしょう。
この成果はお金では買えません。努力しないと得られないものです。今のようにすぐミルクに頼る風潮の中では、誰にでも簡単に得られる体験ではないのが気の毒というか残念です。母親の特権をみすみす捨てていることになります。
父親も共に体験して欲しいので、ぜひ母乳育児を応援してみて下さい。あなた方の子育て観がきっと変わるでしょう。
こんな「自立断乳」をすると、親自身が育ちます。子育ては川のようにつづきます。幼稚園で、小学校で親が育っていない事例が目立っています。学校選びも慎重にしてほしいものです。